ワキガの原因であるアポクリン腺の汗の特徴

2015年10月28日

汗とニオイに関係すること

ワキガの原因であるアポクリン腺の汗は普通の汗とは違った特徴があります。その特徴が、汗臭さとはまた違ったあの独特なワキガの強いニオイを発生させているのです。

 

ワキガのニオイの元となるアポクリン腺の特徴とニオイの成分について触れたいと思います。

アポクリン腺は何のためにあるの?

ワキガの原因であるアポクリン腺の汗の特徴

人間には汗をかく汗腺が2つ備わっています。普通汗をかくといえばエクリン腺からの汗をさし、主な役割は体温調整です。

 

一方、アポクリ腺は体温調整以外の役割があります。それはニオイをつくることです。個体や仲間同士の認識、異性を引き寄せるフェロモンのような役割をになっており、多くの動物はアポクリン腺が発達しています。

 

例えば犬の場合、全身にアポクリン腺が分布しており、エクリン腺は足の裏だけです。一方人間は、脇の下や外耳道、へその周り、乳首周辺、陰部などの限られた局部にしか残っていません。

 

これは人間が進化の過程で体毛の退化とともにアポクリン腺も少なくなったからです。人間の脳と視覚の発達により、見た目からの情報で異性やモノの判断できるようになったため、「におい」で判別する重要性が低くなったからと言われています。

 

現代人のアポクリン腺は特定の局部にしかありませんが、活発に活動しているのは脇の下だけだと言われています。そして、この脇の下のアポクリン腺こそワキガの原因となっているのです。

 

アポクリン腺は成長とともに大きくなるのが特徴で、思春期になるとイクラの粒程度の大きさになるといわれています。思春期になってからワキガ臭が目立つのはそのためです。特にアポクリン腺は毛穴の奥にあるので、毛深い人はワキガ体質の傾向があるといえます。

 

アポクリン腺は先祖の名残であると考えると、なんだか人間の進化を感じますね!

アポクリン腺の汗の成分がワキガの複雑なニオイを生む

元々アポクリン腺の汗は、性的アピールとしてニオイを放つ必要があったので、ニオイが強くなりやすいようにエクリン腺よりも多くの成分を含んでいます。タンパク質や脂質、糖質、アンモニア、ピルビン酸、色素リポフスチン、鉄分などを含み、やや粘り気があります。

 

このように栄養素をたくさん含むことで、あえて雑菌が繁殖しやすくしているのです。しかも、アンモニアも多く含んでいるので雑菌の大好きな弱アルカリ性の環境を作りやすくしています。

 

エクリン腺の汗は99%が水分で、残りの1%に塩分などの成分が含まれているので、その差は歴然ですね。

 

ワキガ臭の主なニオイは硫黄臭、スパイシー臭、脂肪酸臭の3つだと言われています。それぞれのニオイ物質の発生メカニズムも花王株式会社香料開発研究所によって解明されました。

 

汗腺から分泌されるときは、アミノ酸の一種であるシステインやグルタミンがニオイ物質と結合した状態であり、このときはまだ無臭です。しかし、雑菌によってこの結合が分解されるとニオイを放つようになるのです。

特徴原因となるニオイ物質
硫黄臭(生臭くて鼻をつくニオイ)3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール
スパイシー臭(カレーのスパイスのようなニオイ)3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸
脂肪酸臭(古い雑巾のようなニオイ)3-メチル-2-ヘキセン酸

このようにワキガは、複数の臭気物質が混ざった複雑なニオイとなります。そのため、汗のニオイとワキガ臭は違ったニオイになるです。

アポクリン腺は食事で活動は活性化するけど増えないよ!

アポクリン腺は遺伝的要素が強く、生まれつき腺の量が決まっています。なので、新たにアポクリン腺が増えたり減ったりはしません。

 

よく脇に刺激を与えたり、食事によってワキガのニオイが強くなると言われていますが、それは新たにアポクリン腺が生まれたのではなく、実はアポクリン腺の活動が一時的に活性化しているだけなんです。

 

特に肉やラードなどの動物性脂肪を食べているとアポクリン腺の活動が活発になります。これは民族別のワキガ率にも関係していることからも明らかです。例えば、肉を中心にした食生活をしている黒人は100%で、欧米人は70~90%と言われています。

 

一方、穀物が中心の食文化の日本人は10~15%、中国人3~5%だといわれています。

 

そのため肉類を好んで食べる食文化の民族は、一般的にワキガ体質の傾向があるのです。近年の肉中心の食生活はワキガ体質をつくるといえるでしょう。